哲学カフェとは?
哲学カフェって何? – 難しくない!気軽に参加できる「考える」を楽しむ場
「哲学カフェ」という言葉、聞いたことはありますか?
「哲学」と聞くと、「難しそう…」「専門知識がないとダメ?」「なんだか敷居が高い…」なんてイメージを持つ方もいるかもしれません。
でも、哲学カフェは、そんな心配とは無縁の、もっとずっと気軽で開かれた場所なんです。

哲学カフェは「カフェ」で「哲学」する場所?
半分正解で、半分ちょっと違います。
もちろん、カフェのようなリラックスした雰囲気で、コーヒーやお茶を片手に行われることも多いです。
でも、一番大切なのは「場所」よりも「対話」をすることです。
哲学カフェとは、特定のテーマについて、参加者みんなで自由に考えを語り合い、聴き合うことで各々の考えを深める「対話の場」のこと。
専門家が一方的に話す講演会や、正解を求める討論会、誰かを論破するディベートとは全く違います。
大切なのは、
- 自分の考えを、自分の言葉で話してみること
- 他の人の考えに、じっくり耳を傾けること
- 「問い」を共有し、一緒に考えてみること
結論を出すことや、全員が同じ意見になることが目的ではありません。むしろ、多様な考えに触れることで、自分の中の考えが深まったり、新しい視点に気づいたりすることを楽しむ場なのです。
もちろん、老若男女問わず参加いただくことが可能です。
哲学カフェの3つの特徴
哲学カフェが、なぜ気軽に参加できるのか?その特徴を見てみましょう。
- 知識は不要!手ぶらでOK
哲学の専門知識は全く必要ありません。「ソクラテスって誰?」でも全然大丈夫。
「誰それがこういうことを言って、後に別の誰それが批判して…」といった、いわゆる哲学的な背景は不要です(もちろん先人の知恵を知っていることは素晴らしいことです)。
大切なのは、テーマについてあなたが「どう思うか」「どう感じるか」、そして「どう考えが深まったか」です。
特別な準備はいりませんので、対話の場を楽しむ気持ちだけ持っていてください。 - 多様な人が集まる
年齢、職業、性別、これまでの経験…本当に様々な背景を持つ人が集まります。
普段の生活では出会わないような人の考えに触れられるのは、哲学カフェの大きな魅力です。 - 安心して話せるルール
多くの哲学カフェでは、「人の話を最後まで聞く」「頭ごなしに否定しない」「発言を強制しない」といった、安心して対話できるための簡単なルールが設けられています。
進行役(ファシリテーター)がいる場合も多く、対話が円滑に進むようサポートしてくれます。
私の主催する哲学カフェでは以下のルールを事前に説明いたします。
・お互いに対等である
・結論を出す場ではない
・何を発言してもOKだが、攻撃のための発言はNG
哲学カフェはどんな風に進むの?(流れの一例)
私の主催する哲学カフェでは↓のような流れで進みます。
- 開始・ルール説明:哲学カフェでの対話ルールを説明します。
- テーマの提示と選定: その日、対話したいテーマを皆さんに1分ほど考えてもらいます。
そのあと、お一人ずつ対話テーマとそのテーマにした背景を簡単にご説明頂きます。
参加者が多い場合には、どのテーマを選ぶのか多数決で絞り込みます。 - 対話の時間: テーマを出した方に対話の口火を切ってもらい、その後は、参加者が自由に問いを立てたり、自分の考えや経験を話したり、他の人の話を聞いたりします。
もちろん、沈黙して考えを深めてもOK。
自分の話したいタイミングで考えを言葉にします。
45分ほど1つのテーマについて対話し、1段落したところで次のテーマに移ります。 - 振り返り・終了: 対話を通して感じたことや気づいたことを簡単に共有します。
後日、テキストで共有することもあります。
全体として2時間ほどで終わることが多いです。
途中の入退室も問題ございません。
哲学カフェに参加するメリットは?
- 思考が深まる: 自分の考えを言葉にすることで、他の人の考えを聞くことで、思考が展開し、新たな問いが生まれる。
- 新しい発見がある: そもそも考えもしなかったテーマや問いに出会うことがあります。
- 気軽な繋がりができる: 利害関係のない、人とのゆるやかな繋がりが生まれます。また、初めてあった人とだからこそ話しやすいということもあります。
よくある質問 Q&A
Q. 哲学の知識がなくても本当に大丈夫?
A. はい、全く問題ありません!知識は考えを深めるきっかけにはなりますが、考えること自体がむしろ大事です。
ほとんどの参加者は哲学の歴史や哲学者のことを知りませんし、知らなくてもその人の考えを深めることに何の問題もありません。
Q. 人前で話すのが苦手なんですが…
A. 無理に話す必要はありません。
各々の思考が深まればOKですので、沈黙も問題ありません。
他の人の話を聞いているだけでも、たくさんの発見がありますよ。
Q. どんな人が参加していますか?
A. 本当に様々です。学生さん、主婦(夫)の方、会社員、経営者、リタイアされた方など、年齢も職業もバラバラ。
「哲学に詳しい人ばかり」ということはまずありませんので、安心してください。
Q. 間違ったことや変なことを言っても大丈夫ですか?
A. 全く問題ありません。そもそもを問う姿勢が大事なので、頭ごなしに否定されたり馬鹿にされたりすることはありません。
あなたが他の人と異なる考えを出すことで、他の参加者が考えるきっかけや気づきを与えることになります。
さいごに:一歩踏み出して、対話を楽しもう!
哲学カフェは、決して難しい場所ではありません。
日々の忙しさの中で、ふと立ち止まって物事をじっくり考えたり、普段は話さないようなテーマについて誰かと語り合ったりする時間は、思った以上に豊かで楽しいものです。
もし少しでも興味が湧いたら、ぜひお近くの哲学カフェを探して、一度足を運んでみませんか?
きっと、新しい発見と出会いが待っていますよ